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歯周病菌に対する、プロバイオティクスセラピーでの殺菌治療 [2015年09月10日]

歯周病原細菌のプロバイオティクスセラピーによる減少
誠敬会クリニックは、歯周病専門医による高度な歯周治療をおこなっています。当クリニックの吉野敏明は、日本歯周病学会の専門医・指導医・評議員であり、厚生労働省が主管するマインズ(治療のガイドライン)に収載されている、抗菌療法のガイドラインを吉野は著編したうちの数少ない臨床家の一人です。

抗菌療法の欠点は、妊産婦や授乳中には使いにくいこと、また薬の副作用により善玉菌まで減少してしまうこと、また全身疾患のある患者で免疫力の低下している方(がんで放射線治療や抗がん剤治療後の患者など)は、この善玉菌が減少することによる免疫力への影響などが懸念されていました。

一方、プロバイオティクスセラピーでは、善玉菌の補充を行うことで、口腔内フローラ(口腔細菌叢)を改善する治療です。

我々は、歯周病専門医の集団として、この春の第58回日本歯周病学会に我々の研究を発表しました。結論から言えば、歯周病の悪玉菌である、Porphyromonas gingivalis, Tannerella forsythia, Treponema denticolaを統計学的に有意に減少させるのみならず、最も重要なことは総菌数を減少させなかったこと、つまり善玉菌が増殖できたということです。

今後も、我々は「生体に優しい細菌治療」の研修と実践を行っていきます。

受動喫煙は、最大歯周病を3.6倍も悪化させます [2015年09月07日]

 喫煙が歯周病を悪化させることは、いまではどなたでも知っていると思います。歯周病のみならず、あらゆる疾患を喫煙によって悪化させてしまいます。

 問題は、喫煙している人の周りのひとです。

 とくに、ご家族の誰かが喫煙していると、受動喫煙により様々な疾患のリスクがあがってしまうことが問題です。

 当誠敬会クリニックでは、歯科以外にも内科で、癌の免疫療法をおこなっていますが、受動喫煙により肺がんになってしまった方の免疫療法を行っています。がんの発症率の統計はあっても、発症の個人差は大きいので、喫煙者のパートナーの方が受動喫煙で癌になってしまうこともあるのです。
 
 ところで、歯周病も受動喫煙により、悪化してしまうことはあるのでしょうか?細菌、東京医科歯科大学と国立がん研究センターの共同研究チームから「Tobacco Induced Diseases」7月29日オンライン版に掲載されたデータでは、受動喫煙によって歯周病も最大3.6倍も悪化していることがわかりました。

 この研究では、男女1,518人を対象とし、6mm以上の歯周ポケットが1歯以上ある場合を重度の歯周病と定義して、喫煙と歯周病の関連を調査しました。。

 男性では受動喫煙の経験がない非喫煙者に比べて、喫煙者では重度歯周病リスクが約3.3倍高まっており、家庭のみで受動喫煙の経験がある非喫煙者の場合は約3.1倍、家庭とそれ以外の場所で受動喫煙の経験がある非喫煙者では約3.6倍もリスクがあることが判明した一方、女性ではこの影響は見られませんでした。なぜ女性に影響がなかったかの考察として、詳細は不明としながらも、女性のほうがニコチンなどの排出速度が速く影響を受けにくいこと、また女性のほうがたばこのがんリスクへの意識が高く、受動喫煙を避ける傾向があった可能性などを指摘しています。

 「でしたら、女性だから大丈夫」と総計しないでください。受動喫煙は歯周病だけの問題ではなく、他の疾患や、癌、早産低体重児出産など、女性と喫煙の関わりは本人だけでなく、胎児や育児にも影響するからです。当然、インプラントにも悪影響です。

 誠敬会クリニック内科では、禁煙外来があります。もし、禁煙にたいする相談のあるからは、お気軽にお尋ねください。 

妊娠前の女性は、タバコ・お酒より歯周病に注意!! [2015年08月15日]

 歯周病が全身と強く関係していること、特に糖尿病などが歯周病を悪化させていることは、徐々に国民のみなさまにも知られてきました。

 では、妊娠と歯周病はどうなのでしょう? 関係があるのでしょうか?

 妊娠している女性が歯周病になっていると、低体重児および早産(かつての未熟児出産)の危険度が高くなることがわかっています。

 早産や低体重児の出産が起こる理由は、歯周病細菌が産生するプロスタグランディンなどの生化学物質(ホルモンのような物)が子宮を収縮させたり、出産を促したりするからです。他にも。歯周病菌の一部(Prevotela intermadiaなど)が、早産や低体重児出産を促す物質を産生してると言われています。

 妊娠をすると、禁煙や禁酒をする女性は多いと思いますが、実は歯周病の方が早産低体重児出産をする危険率は実に7倍にものぼるといわれ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字です。

 歯周病は治療可能なだけでなく、予防も十分可能な疾患です。生まれてくる赤ちゃんのために、歯周病予防が必要です。

 妊娠してからでは遅いのです。

 適齢期の女性は、常に歯周病予防が必要です!

Red complexとは? 連載(1) [2014年03月03日]

 皆さんこんにちは。医療法人社団誠敬会の理事長の吉野敏明です。

今回は、歯周病の悪玉菌である、Red complexについて説明します。

先ずその前に、歯周病の感染について説明します。歯周病は感染症なのですが、

インフルエンザやノロウィルス、また性感染症などの感染症と大きくことなります。

そもそも、これらの細菌やウィルスは健康な人間の体内にはいませんので、

いわゆる“感染”がおきてこれら細菌やウィルスが体内に入って健康を害します。

このような感染を“外因性感染”といいます。

 ところが、歯周病はそもそも口のなかに細菌がたくさん住んでいます。

これは、口だけでなく、小腸や大腸にも腸内細菌がすんでいます。

このような細菌を常在菌といいます。

口の中だけでも、700種類以上の細菌が住んでいるといわれています。

このなかには、善玉菌もいれば、悪玉菌もいれば、なにもしていない細菌もいます。

このようないろいろな細菌の組みあわせを細菌叢といいいます。

なにかの原因でこの細菌叢が変化し、

悪玉菌が増えたりあるいは細菌数そのものが増えて結果として悪玉菌が増えることで感染が起こることがあります。

これを内因性感染といいいます。内因性感染の例としては、風邪をひいて抵抗力が下がったときに腸内細菌叢が変わって

下痢をしたり、ヘルペスウィルスのように、通常は神経節に寄生して感染しているのですが、

おなじく抵抗力が落ちるとウィルスが増えて口内炎のようなものが口の中の粘膜におこることが知られています。

通常の歯周病の中の歯肉炎もそうです。歯磨きが悪いと細菌が増え、歯肉に炎症が起きるのです。


 では、歯周病の中で骨が溶けてしまう歯周炎はどの様な感染症なのでしょう?

外因性感染?それとも、内因性感染? (つづく)

口臭シリーズブログ ②糖尿病と口臭の関係 [2014年02月25日]

糖尿病とは、すい臓の働きがさまざまな原因でわるくなり、血液の中に糖分が多くなり、細胞が糖をエネルギーとして利用しにくくなります。その結果、使用されない糖が血液中に溢れ、糖尿となるのです。現在、予備軍をふくめ、日本には3500万人いるともいわれ、歯周病となら国民病です。糖尿病は歯周病とも大きな関連があり、糖尿病が悪化すると歯周病も悪化し、その歯周病が悪化すると糖尿病も悪化する、まさに負のスパイラルに陥るのです。糖尿病になると腎臓に負担がかかり、最悪の場合は腎不全で人工透析をうけなければ亡くなってしまうこともあります。また、糖尿病は、糖尿病性閉塞性動脈硬化症という血流障害をおこし、これが失明や高血を引き起こします。血流障害は、足など末端の組織が壊死する糖尿病性壊疽を発症させ、最悪の場合は足や手の切断を余儀なくさせられることもあるのです。糖尿病になると、糖をエネルギーに変えられない細胞は、脂肪を分解してエネルギーにします。そして、その脂肪の分解のためには「ケトン体」という物質が必要になります。 このケトン体の主成分である「アセトン」には、独特の酸っぱい臭いがあり、これが口臭の原因となります。 尿も同様の臭いがするので、家族は糖尿病の人がオシッコをしたあとに、甘酸っぱい臭いがしたら、要注意です。また、便器がベタベタに汚れやすくなりますから、便器の汚れが多くなってきても注意です。わたしは歯科医師ですから、患者さんが口をあけた瞬間に糖尿病独特のにおいがするので、すぐ分かります。糖尿病は、他の生活習慣病や癌と同じく、自覚症状に乏しいですから、患者さんが自分で糖尿病になっている、と思っていない方のほうが多いです。ある患者さんは、その臭いで糖尿病を疑い、簡易型の血糖値検査機で測定したとろ、なんと800mg/dlもあり(正常値の空腹時血糖値は80~110mg/dl未満、食後でも200mg/dlにはなりません)、強く説得して、内科の受診を勧めましたが、「忙しい」「今日は大事な仕事がある」ということを聞きません。しかたないので、同じビルにある糖尿病専門医の先生の診療所まで、強引に引き連れていきましたら、その場で緊急入院になりました。死亡する可能性や、失明する可能性があるので、仕方ありません。また、糖尿病になると唾液の量が減り、ドライマウスになります。 ドライマウスになると口腔の細菌が増え、虫歯や歯周病になりやすくなります。 歯周病になると、また糖尿病が悪化し…となります。ですから、尿や口臭が甘酸っぱい臭いがしたら、要注意です!!

歯科衛生士のお仕事を紹介します [2014年02月22日]

 

こんにちは

 

皆様は、歯科衛生士がどのような仕事をしているのかご存じですか?

 

歯科衛生士は歯科医師の指導のもと、患者様それぞれのお口の状態に合ったブラッシングの指導や、歯についた汚れ(プラークや歯石、ステイン)の除去を行い、患者様が歯をより健康に保つためのサポートを行っています。また、治療のアシスタントに付き、診療がスムーズに進むためのサポートも行っています。それ以外にも、歯の型を採ったり、歯周病の検査を行ったり、治療に使う器具の準備や片付けをするなどなど…とても多岐に渡った仕事を行っています。

 

今度歯科治療に行く時は、歯科衛生士がどんなことをしているのか観察してみてはいかがでしょうか || д・)

 

再生療法とは?ー21世紀が生み出した科学の治療、もう一度臓器が生まれかわる!ー [2014年02月14日]

 20世紀末までの様々な研究の成果によって、今世紀では以前では考えられないような医療が行えるようになりました。みなさん、羊の“ドリー”は知っていますよね?クローンといって、成長した大人の細胞から生殖することなくもう一度赤ちゃんから同じDNAを持った生き物が“やり直し”ができるのです。手塚治先生の有名なアニメに“不思議なメルモ”という物語がありました。赤いキャンディーと青いキャンディーを飲むことによって大人になったり、子供になったり、他の生き物に代わったりするのです。30年以上前では夢物語、ファンタジーであったことが既に実践可能な医学になっています。
 今日、肝細胞や心筋細胞の再生し、これを自分に移植することで免疫抑制剤を用いて他人の臓器を使うこと無く治療できたり、臓器そのものを再生したりする技術まで確立しつつあります。え、歯科治療と再生がどんな関係があるのかって?という声が聞こえてきそうです。実は、全ての医療分野で再生治療が半ば日常の治療となっているのが歯科治療なのです(もちろん、トップレベルでの話ですよ)。これは他の診療科では考えられないことです。私の診療所では、ほぼ毎日の様に再生手術をしています。スピード矯正のPAOOという、急速に矯正する方法もこの再生治療を応用しているからこそできる治療なのです。
 再生治療とは、文字通り失った組織や細胞、場合によっては臓器そのものを再生する医療を指します。歯科治療の場合、“歯”という臓器はまだ再生不可能です。いや、歯のようなものを作ることは可能ですが、これを“右上の第一大臼歯”いや、“左下の第二大臼歯”とうような細かい解剖学的形態や機能まで仕上げることは今日の段階ではまだ不可能です。しかし、その歯の周囲に歯根膜、セメント質、歯肉、そして歯を支える最も大切な歯槽骨といった組織を再建させることは十分可能です。また、歯が折れたり、虫歯であったりして歯が機能できず、抜歯を余儀なくされる場合は歯の変わりにデンタルインプラントを用い、周囲の組織は再生させる、といったことで歯を失う前に極めて近い状況を作り出すこともかのうです。大事なことは、「インプラントをする」ことではなく、「インプラントができる様に再生治療を行う技術があるか」であります。誤解を恐れずに申し上げると、インプラントは穴を開けて入れるだけですから、ある程度の技術と知識(とはいっても、失敗しないだけのレベルは必要です)があればできますが、再生治療は解剖学、組織学、生化学、生理学、そしてこれらを組み合わせる知恵と卓越した技術が必要になります。再生治療はインプラントをすることを考えれば、遥かに高い知識と技術が必要です。このような医療を日常としているのは歯科治療にほかなりません。もちろん、全ての歯科医師がおこなっているのではなく、ある一定以上のレベルでの話しですが・・・。

死にいたることも!? 口臭の種類と原因と対策① [2014年02月13日]

千年の恋も冷める口臭の問題。そして、1億の契約もパーになる口臭の問題。おそろしい口臭…。その口臭の原因と対策をここではお話しましょう。人は見た目が9割である、と私の著書の冒頭で書きましたが、その最初の瞬間である「出会い」の次は、距離を縮めて会話することになりますよね。じつは、ある会社が発表した、「人との距離感覚に関する意識調査」によると、人と人の距離が近づいたときに不快に感じることの第1位が口臭(83.4%)でした。ということは、どんなに見た目がOKでも、次は口臭でダメになる、ということです。さて、口臭とは、書いて字の如く、「口の臭い」です。病気であるとすると、「口臭症候群」となります。つまり、あくまで症状の名前であって、原因は分かりません。たとえば、「高脂血症」という病名は、血液中の油分が高い、という病名で原因もわかります。「高血圧症」などもそうです。ですから、「口臭」といっても、口の臭いには、さまざまな原因があり、解決方法はひとつではありません。なので、ここで先ず整理して、①病気でおこる口臭、②生活習慣で起こる口臭、③精神状態など、ある瞬間でおこる口臭、にわけで考えましょう。このブログで、順番にお話ししていきます!

働く女性必見!!歯周病と女性の病気 [2014年02月13日]

理事長の著作、「デキるビジネスマンはなぜ歯がきれいか?(ディスカバー社)」、第三章より抜粋です。

 現在の働く女性は、男性以上にバリバリはたらき、草食系男子ならぬ肉食系女子!!という言葉まであります。わたしの職場は8割が女性ですが、みな超エネルギッシュです。肉食系女子というより、肉食恐竜といった感じですが(笑)、そのエネルギッシュな女性であっても、男性には決してできない仕事があります。それが、出産とその後の育児です。(中略)。…現在の女性は晩婚化の影響で、一人の女性が生涯出産する数が減るだけでなく、その出産年齢も高齢化しています。高齢化することで、妊娠できる確率が低くなり、不妊治療をしているひとがとても多くなりました。少し古いデータですが、平成17年度版国民生活白書によると、不妊治療を受けている人は1999年の28万4800人から2003年には46万69000人(推計)と、1.6倍にも増えていますから、2013年現在はさらに多いことが予測されます。10組に1組といわれる不妊症ですが今後も増加してくと思われます。さて、その妊娠や早産のリスク因子として、よく言われるのが喫煙と飲酒ですが、あるデータによると、喫煙や飲酒以上に早産と低体重児出産に関わるものがあります。それが歯周病です。早産は妊娠22週以降37周未満の出産をいい、低体重児出産は2,500g未満の出生児の出産の事をいいます。早産では当然低体重児であることが多いわけですが、この低体重児は出産後に医科的な管理が必要になる場合が多く、成長過程でもさまざまな疾患に対するリスクが高いので注意が必要です。米国のデータですが、1996年にOffenbacherらが妊婦あるいは出産後3日以内の産婦に歯周病の検査を行ったところ、口腔内の60%以上にある基準以上の歯周病が見られた妊婦は、早産あるいは低体重児出産に対する危険率が7.5倍も高かったと報告しています。妊婦が歯周病の場合、早産や低体重児出産をするメカニズムは、正期産以前(妊娠37週未満)に歯周病によるサイトカイン(炎症による、様々なホルモンのような液性物質)の産生が多くなるため、これらが子宮筋を収縮さてしまうからと言われています。チリでは、妊娠9〜21週までの400人の妊婦を対象にした臨床試験が行われ、歯周病治療をしたグループは、そうでないグループに比べ早産・低体重児の発現率が約5分の1に減ったという報告もあります。日本のデータでは、正常妊娠の人と、37週未満に切迫早産の状態にあった妊婦を対象に出産状況を調べたところ、正期産の人に比べ、切迫早産で早産・低体重児を産んだ妊婦の歯周病菌の数は約4.5倍、血清中のサイトカイン量は約14倍多かった、という報告があります。まだ完全なエビデンスとはいえませんが、ただでさえ妊娠困難や早産が多くなる高齢出産において、歯周病も同様に年齢と共に悪くなる傾向がありますから、歯周病の予防と治療が妊娠を望む女性にとって大切であることは間違えありません。