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口臭シリーズブログ ③肝臓病と口臭の関係 [2014年03月01日]
肝臓機能障害、肝臓病(肝硬変、肝臓がん)など肝臓は、体にある毒素を分解したり、
エネルギーを作る、非常に大切な臓器です。「肝心要」というくらい、心臓と同じように、
生きていくのになければならない、大切な臓器です。
毒素を分解して血液を綺麗にする肝臓ですが、「臭い物質を押さえる働き」もあります。
その為、肝硬変などで肝機能が低下すると、様々な臭いが発生します。
腸で体に取り込まれたアミノ酸などの窒素化合物は分解によってアンモニアが発生します。
有害なアンモニアである窒素化合物の排泄は非常に重要です。
血液中とけこんだアンモニアは、原始的は魚類ではこれを直接排泄していますが、
哺乳類であるわたしたちは、この有害な物質であるアンモニアを肝臓で尿素に変え、最終的に尿として排出されます。
ですから、肝臓の働きがわるいとアンモニアが処理されずに肺まで運ばれ、アンモニア臭の口臭ととなります。
肝臓のアンモニア分解度は非常に高く、口臭から案もアンモニアの臭いがする時は、
末期の肝臓癌など非常に危険な状態と思って間違いありません。
また、肝機能が落ち始めた場合、アンモニア臭がする前にネズミの臭いがすると言われています。
ネズミの臭いといっても、私が子供のころ(昭和40年代)は、本当に道路の側溝などにドブネズミがよくいて、
これをノラ猫が食べていたりしました。食べ残しのドブネズミが空き地や道端にあったので、
どんな臭いか分かりますが、現代の皆さんはドブネズミの臭いをイメージできませんから、
小学校のとき、掃除に使ったカビ臭い雑巾臭いを思い出してください(笑)。
え!?今は、それもしていない?では、キッチンの排水溝の臭い!ですから、
忘年会などお酒を大量に飲む日がつづいて、だるいようなとき、
仕事が終って血液中のカビ臭が抜けて自分でもわかるようになったとき、
あまで寝ていた自分の布団の臭いを嗅いでみてください。
あるいは、恋人などに口の臭いを思いっきり嗅いでもらい増そう。
もちろん、歯磨きしたあとですよ!
いずれにせよ、もしカビ臭く感じたら、肝機能が弱っているかもしれません。その前に、カビが生えている布団は、クリーニングです!
口臭シリーズブログ ②糖尿病と口臭の関係 [2014年02月25日]
糖尿病とは、すい臓の働きがさまざまな原因でわるくなり、血液の中に糖分が多くなり、細胞が糖をエネルギーとして利用しにくくなります。その結果、使用されない糖が血液中に溢れ、糖尿となるのです。現在、予備軍をふくめ、日本には3500万人いるともいわれ、歯周病となら国民病です。糖尿病は歯周病とも大きな関連があり、糖尿病が悪化すると歯周病も悪化し、その歯周病が悪化すると糖尿病も悪化する、まさに負のスパイラルに陥るのです。糖尿病になると腎臓に負担がかかり、最悪の場合は腎不全で人工透析をうけなければ亡くなってしまうこともあります。また、糖尿病は、糖尿病性閉塞性動脈硬化症という血流障害をおこし、これが失明や高血を引き起こします。血流障害は、足など末端の組織が壊死する糖尿病性壊疽を発症させ、最悪の場合は足や手の切断を余儀なくさせられることもあるのです。糖尿病になると、糖をエネルギーに変えられない細胞は、脂肪を分解してエネルギーにします。そして、その脂肪の分解のためには「ケトン体」という物質が必要になります。 このケトン体の主成分である「アセトン」には、独特の酸っぱい臭いがあり、これが口臭の原因となります。 尿も同様の臭いがするので、家族は糖尿病の人がオシッコをしたあとに、甘酸っぱい臭いがしたら、要注意です。また、便器がベタベタに汚れやすくなりますから、便器の汚れが多くなってきても注意です。わたしは歯科医師ですから、患者さんが口をあけた瞬間に糖尿病独特のにおいがするので、すぐ分かります。糖尿病は、他の生活習慣病や癌と同じく、自覚症状に乏しいですから、患者さんが自分で糖尿病になっている、と思っていない方のほうが多いです。ある患者さんは、その臭いで糖尿病を疑い、簡易型の血糖値検査機で測定したとろ、なんと800mg/dlもあり(正常値の空腹時血糖値は80~110mg/dl未満、食後でも200mg/dlにはなりません)、強く説得して、内科の受診を勧めましたが、「忙しい」「今日は大事な仕事がある」ということを聞きません。しかたないので、同じビルにある糖尿病専門医の先生の診療所まで、強引に引き連れていきましたら、その場で緊急入院になりました。死亡する可能性や、失明する可能性があるので、仕方ありません。また、糖尿病になると唾液の量が減り、ドライマウスになります。 ドライマウスになると口腔の細菌が増え、虫歯や歯周病になりやすくなります。 歯周病になると、また糖尿病が悪化し…となります。ですから、尿や口臭が甘酸っぱい臭いがしたら、要注意です!!
口臭シリーズブログ ①病気でおこる口臭は、病気を治す! [2014年02月18日]
口臭、あるいは体臭など、人が不快に感じさせる臭いを常に発する場合は、先ず病気を疑わないといけません。病気であれば、そのときだけ消臭ガムを噛んだり、デンタルリンスでうがいをしても、元を断つことができませんから、臭いはおさまりません。それどころか、命に危険をさらすような病気であれば、なおさら対症療法は危険です。口臭を発する全身疾患としては、糖尿病、気管支炎、肺がん、咽喉頭がん、胃炎、胃潰瘍、胃がん、肝硬変などがあります。それでは、口臭で死ぬかもしれない病気を発見し、生命に危険な病気から順番に、そして最後はエチケットのレベルまで、順序良く口臭についてせつめいします。
癌
癌に臭いなどあるのでしょうか?もしあるとすれば、どのような臭いなのでしょう?癌に関わらず、ご家族や知人などで末期癌などで亡くなる直前の方にあったかたなら、独特の病気のにおいがあるのを思い出すかもしれません。癌探知犬に「マリーン」という雌のイヌが千葉県にいます。彼女は癌の有無を9割を越す的中率で発見します。マリーンは、医学誌にも紹介されました。マリーンは生後3カ月で救助犬の訓練をするうちに、ただでさえイヌは優れた嗅覚なのですが、彼女は幼犬のうちからそれが飛びぬけていたのだそうです。キュウリや大根、ニンジンなど5種の生野菜を一度に食べて息を吹きかけると、食べた野菜をすべて的中させたのです。九州大大学院消化器総合外科では、マリーンをつかって、大腸がん患者の呼気や便のにおいを判別させる実験をしました。呼気では36回のうち33回で正解、便では38回のうち37回で正解でした。実験結果をまとめた論文は英国の著名な医学誌「GUT」に掲載されています。つまり、癌にもにおいがあるのです。では、われわれ人間は、癌があるとどのような臭いを発しているのでしょう?口臭治療のガイドラインでは、胃がんの場合は“卵の腐った臭い=腐卵臭”がするとなっています。 “キツイ花の臭い”がするという人もいます。いずれにせよ、恒常的に(朝とか、食後とかでなく、あるいは、お酒を飲んだときや、疲れたときではなく、いつも)、同じ臭いを家族などから指摘された場合、なにか全身疾患になっている、と疑った方が命のことを考えると大切です。そうです、口臭は内臓疾患のバロメータ―でもあるのです。自分がそうでなくても、家族の命を守るためですから、独特の口臭が長く続いていたら、家族にも指摘してあげて、専門医を受診しましょう。そういう立場から話をすれば、たとえ家族でも口臭の話はしやすいでしょう!
死にいたることも!? 口臭の種類と原因と対策① [2014年02月13日]
千年の恋も冷める口臭の問題。そして、1億の契約もパーになる口臭の問題。おそろしい口臭…。その口臭の原因と対策をここではお話しましょう。人は見た目が9割である、と私の著書の冒頭で書きましたが、その最初の瞬間である「出会い」の次は、距離を縮めて会話することになりますよね。じつは、ある会社が発表した、「人との距離感覚に関する意識調査」によると、人と人の距離が近づいたときに不快に感じることの第1位が口臭(83.4%)でした。ということは、どんなに見た目がOKでも、次は口臭でダメになる、ということです。さて、口臭とは、書いて字の如く、「口の臭い」です。病気であるとすると、「口臭症候群」となります。つまり、あくまで症状の名前であって、原因は分かりません。たとえば、「高脂血症」という病名は、血液中の油分が高い、という病名で原因もわかります。「高血圧症」などもそうです。ですから、「口臭」といっても、口の臭いには、さまざまな原因があり、解決方法はひとつではありません。なので、ここで先ず整理して、①病気でおこる口臭、②生活習慣で起こる口臭、③精神状態など、ある瞬間でおこる口臭、にわけで考えましょう。このブログで、順番にお話ししていきます!