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口臭シリーズブログ ②糖尿病と口臭の関係 [2014年02月25日]

糖尿病とは、すい臓の働きがさまざまな原因でわるくなり、血液の中に糖分が多くなり、細胞が糖をエネルギーとして利用しにくくなります。その結果、使用されない糖が血液中に溢れ、糖尿となるのです。現在、予備軍をふくめ、日本には3500万人いるともいわれ、歯周病となら国民病です。糖尿病は歯周病とも大きな関連があり、糖尿病が悪化すると歯周病も悪化し、その歯周病が悪化すると糖尿病も悪化する、まさに負のスパイラルに陥るのです。糖尿病になると腎臓に負担がかかり、最悪の場合は腎不全で人工透析をうけなければ亡くなってしまうこともあります。また、糖尿病は、糖尿病性閉塞性動脈硬化症という血流障害をおこし、これが失明や高血を引き起こします。血流障害は、足など末端の組織が壊死する糖尿病性壊疽を発症させ、最悪の場合は足や手の切断を余儀なくさせられることもあるのです。糖尿病になると、糖をエネルギーに変えられない細胞は、脂肪を分解してエネルギーにします。そして、その脂肪の分解のためには「ケトン体」という物質が必要になります。 このケトン体の主成分である「アセトン」には、独特の酸っぱい臭いがあり、これが口臭の原因となります。 尿も同様の臭いがするので、家族は糖尿病の人がオシッコをしたあとに、甘酸っぱい臭いがしたら、要注意です。また、便器がベタベタに汚れやすくなりますから、便器の汚れが多くなってきても注意です。わたしは歯科医師ですから、患者さんが口をあけた瞬間に糖尿病独特のにおいがするので、すぐ分かります。糖尿病は、他の生活習慣病や癌と同じく、自覚症状に乏しいですから、患者さんが自分で糖尿病になっている、と思っていない方のほうが多いです。ある患者さんは、その臭いで糖尿病を疑い、簡易型の血糖値検査機で測定したとろ、なんと800mg/dlもあり(正常値の空腹時血糖値は80~110mg/dl未満、食後でも200mg/dlにはなりません)、強く説得して、内科の受診を勧めましたが、「忙しい」「今日は大事な仕事がある」ということを聞きません。しかたないので、同じビルにある糖尿病専門医の先生の診療所まで、強引に引き連れていきましたら、その場で緊急入院になりました。死亡する可能性や、失明する可能性があるので、仕方ありません。また、糖尿病になると唾液の量が減り、ドライマウスになります。 ドライマウスになると口腔の細菌が増え、虫歯や歯周病になりやすくなります。 歯周病になると、また糖尿病が悪化し…となります。ですから、尿や口臭が甘酸っぱい臭いがしたら、要注意です!!